医科器械学
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I. 使用済み鋼製小物の一次洗浄/消毒廃止に向けて : 鋼製小物の洗浄ガイドライン2004
小林 寛伊永井 勲大久保 憲伏見 了新井 晴代三宅 寿美本田 宏志山本 友三
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2005 年 75 巻 7 号 p. 396-399

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抄録

日本においては, 1990年代になり自動型ウォッシャーディスインフェクタが普及するに従って, 従来からおこなわれていた病棟, 外来における使用済み再使用鋼製小物の現場における一次洗浄/消毒(使用現場における洗浄あるいは消毒薬浸漬処理)を廃止しようという傾向が強まってきた. 鋼製小物の中央における洗浄を普及することによって, 現場における一次洗浄/消毒に起因する汚染の拡散を防止すると共に, 熟練した職員による中央での洗浄によって鋼製小物の品質管理を向上させることを目指す施設が急増してきた. 1. 理論的根拠 1983年刊行のアメリカ合衆国Centers for Disease Control(CDC, 1991年からは, Disease Control and Preventiin)ガイドライン, "病院環境対策のガイドライン"には, 一次洗浄precleaningについて次のように記されている. "一般的に言って, これらのもの(再使用のもの)は, 中央のサービス部門で洗浄すべきである. 患者環境で一次洗浄されるべきでない. 理由は, そのような一次洗浄は非効率的であり, 手洗浄は外傷のもとであり, 肝炎ウイルスへの暴露を増加させるからである. しかしながら, 使用済み便器のように汚染度の高いある種のものは, 一次洗浄によって利益を受ける.

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© 2005 一般社団法人日本医療機器学会
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