日本環境感染学会誌
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委員会報告
救急外来部門における感染対策チェックリスト
佐々木 淳一椎野 泰和加藤 康幸工藤 大介藤田 昌久宮入 烈望月 徹奥田 拓史長門 直鍋谷 佳子高橋 毅救急外来部門における感染対策検討委員会合同ワーキンググループ
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2020 年 35 巻 3 号 p. 110-149

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抄録

救急外来部門では,新興感染症も含め,様々なヒト‐ヒト感染症と遭遇する危険性があり,その感染対策は十分かつ適切に行われるべきである。しかし,救急外来部門での感染対策について十分なエビデンスに基づいて作成されたガイドラインなどはこれまで世界的にも作成されておらず,各施設で独自の対応策を検討・実施している。日本救急医学会は「救急外来部門における感染対策検討委員会」を設置し,日本感染症学会,日本環境感染学会,日本臨床救急医学会,日本臨床微生物学会とともに5学会連携の救急外来部門における感染対策について検討する合同ワーキンググループを組織した。この合同ワーキンググループにおいて,救急外来における感染対策およびそれに関連する事項について総合的かつ多面的に検討を行い,「救急外来部門における感染対策チェックリスト」を公開するに至った。本チェックリストは,救急専従医が少数あるいは配置されていない小規模な救急外来部門であっても,このチェックリストに従い準備をすれば大きな間違いをせずに感染対策が行えることを目的に作成された。この中には,感染対策の管理体制,教育・検診・予防接種体制,感染が疑われる患者への対応,ハード面の感染リスク管理などが含まれており,さらにチェックすべき時期やその間隔については,それぞれカテゴリーとして明示している。本チェックリストが,救急外来部門における感染対策の充実に資することを期待したい。

(日救急医会誌. 2020; 31: 73-111)

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