2021 年 64 巻 5 号 p. 336-339
HbA1cの測定を外部の検査機関に委託した場合,測定値が低値になることがある.その理由として,全血の検体を冷蔵で搬送,保存した場合に,老化した赤血球ほど溶血しやすいことが挙げられる.全血の検体を長時間にわたって冷蔵保存した後に採血管を遠心し,その赤血球層を用いてHbA1cを測定する方法(HPLC法の一部,免疫法の一部および酵素法の一部)では,溶血の影響を受けにくいEDTA採血管を使用することが推奨され,血糖検査用のNaF入り採血管の使用は望ましくない.