新しい自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis:AIP)の概念として, lymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis(LPSP)を1型(type1 AIP),idiopathic duct-centric chronic pancreatitis(IDCP)を2型(type2 AIP)とする国際コンセンサス診断基準(International Consensus Diagnostic Criteria:ICDC)が提唱され,それぞれ臨床的に診断可能になるとともに,初めて国際的な比較検討ができるようになった.しかしながら,ICDCは専門家が使用するには極めて有用と思われるものの,専門家だけでなく一般医も使用することを前提とするわが国の診断基準にはやや煩雑であること,またわが国では極めてまれな2型AIPの実態が不明であることより,日本膵臓学会と厚生労働省難治性膵疾患調査研究班では,ICDCの精神を尊重しつつ,わが国の実状に即して1型AIPを対象とする改定診断基準を作成した.