2020 年 4 巻 1 号 p. 15-24
Coronavirus disease 2019(COVID-19)にともなう消化器症状ならびにCOVID-19パンデミック状況下での,炎症性腸疾患(IBD)患者に対しての,日常診療上の重要なポイントを解説する.現時点では,(1)IBD患者のCOVID-19リスクは,一般の方と比べて高くない,(2)原則としてIBD疾患活動性の制御が優先される,(3)寛解状態のIBD患者において,免疫調節薬や生物学的製剤治療を中止する必要はない,(4)ステロイド投与中患者,高齢IBD患者(60歳以上)では,COVID-19による入院,ICU管理,人工呼吸器使用率が高いといえる.