遺伝性腫瘍
Online ISSN : 2435-6808
診療ガイドライン
小児・成人のための若年性ポリポーシス症候群診療ガイドライン(2020 年版)
松本 主之新井 正美岩間 達樫田 博史工藤 孝広小泉 浩一佐藤 康史関根 茂樹田中 信治田中屋 宏爾田村 和朗平田 敬治深堀 優江﨑 幹宏石川 秀樹岩間 毅夫岡﨑 康司斎藤 豊松浦 成昭武藤 倫弘冨田 尚裕秋山 卓士山本 敏樹石田 秀行中山 佳子
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2020 年 20 巻 2 号 p. 79-92

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抄録

若年性ポリポーシス症候群は全消化管に過誤腫性ポリープである若年性ポリープが多発する,希少疾患である.SMAD4あるいはBMPR1A遺伝子の生殖細胞系列バリアントが原因として報告されている.約75%は常染色体優性遺伝形式を示すが,約25%は家族歴のない孤発例である.また,がん遺伝子パネル検査によって診断される可能性がある. ポリープの発生部位により全消化管型,大腸限局型,胃限局型に分けられ,胃限局型ではSMAD4の病的バリアントを原因とすることが多く,胃癌のリスクが高い.また,SMAD4の病的バリアントを有する症例では,遺伝性出血性毛細血管拡張症を高率に合併し,心大血管病変の定期検査も考慮する. 本診療ガイドラインでは,小児から成人にかけてシームレスに,正確な診断と適切な治療・サーベイランスが行われるよう, 基本的事項を解説し,3個のクリニカルクエスチョンと推奨を作成した.

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© 2020 一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会
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