「培養細胞の観察の基本原則」の提案

DOI
  • 中村 和昭
    国立成育医療研究センター研究所薬剤治療研究部実験薬理研究室
  • 諫田 泰成
    国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター薬理部
  • 山崎 大樹
    国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター薬理部
  • 片岡 健
    岡山理科大学理学部臨床生命科学科
  • 青井 貴之
    神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科先端医療学分野、医学研究科内科系講座iPS細胞応用医学分野
  • 中川 誠人
    京都大学iPS細胞研究所未来生命科学開拓部門
  • 藤井 万紀子
    広島大学大学院医歯薬保健学研究科統合健康科学部門
  • 阿久津 英憲
    国立成育医療研究センター研究所生殖医療研究部
  • 末盛 博文
    京都大学ウイルス・再生医科学研究所胚性幹細胞分野
  • 浅香 勲
    京都大学iPS細胞研究所基盤技術研究部門
  • 中村 幸夫
    理化学研究所バイオリソース研究センター細胞材料開発室
  • 小島 肇
    国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター安全性予測評価部
  • 伊藤 弓弦
    産業技術総合研究所創薬基盤研究部門幹細胞工学研究グループ
  • 関野 祐子
    東京大学大学院薬学系研究科ヒト細胞創薬学寄付講座
  • 古江-楠田 美保
    医薬基盤・健康・栄養研究所ヒト幹細胞応用開発室

書誌事項

タイトル別名
  • Proposal for “Fundamental principles for microscopic observation of cultured cells”

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抄録

<p>近年、細胞培養に関連する技術の急速な開発に伴い、創薬研究、再生医療への応用など、細胞培養が貢献する分野が拡大している。培養細胞を利用する上において重要な点の一つとして、適切な状態の細胞を用いることが挙げられる。そのためには、使用する細胞の状態を把握することが重要である。その手段として、生きている細胞を非侵襲的に観察できる倒立位相差顕微鏡が汎用されている。倒立位相差顕微鏡による観察から得られるのは形態情報や細胞密度のみではあるものの、その観察は培養細胞を用いた実験の信頼性と再現性を担保するために有用な手段である。生きている細胞の観察の手法には様々な留意点がある。そこで、細胞培養の観察における基本概念を共有すべきと考え、「細胞培養の観察の基本原則」案を作成した。本基本原則案は、顕微鏡観察に先立つ細胞の目視、低倍率・高倍率での倒立位相差顕微鏡観察、観察のタイミング、適切な記録と保存などに関して7条項から構成されている。この基本原則の概念が共有され、細胞培養技術を用いた研究の信頼性が向上することを期待する。</p>

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