日本小児血液・がん学会2022年小児免疫性血小板減少症診療ガイドライン

DOI
  • 石黒 精
    国立成育医療研究センター教育研修センター・血液内科(前委員長)
  • 森 麻希子
    埼玉県立小児医療センター血液・腫瘍科
  • 宮川 義隆
    埼玉医科大学病院血液内科
  • 今泉 益栄
    宮城県立こども病院
  • 小林 尚明
    康心会汐見台病院小児科
  • 笹原 洋二
    東北大学大学院医学系研究科小児病態学分野
  • 内山 徹
    国立成育医療研究センター成育遺伝研究部疾患遺伝子構造研究室
  • 野村 理
    弘前大学大学院医学系研究科救急災害医学講座
  • 堀内 清華
    山梨大学大学院総合研究部附属出生コホート研究センター
  • 高橋 幸博
    東大寺福祉療育病院
  • 東川 正宗
    日本赤十字社伊勢赤十字病院小児科/新生児科(委員長)

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Practice Guidelines for Childhood Immune Thrombocytopenia 2022 from the Japanese Society of Pediatric Hematology/Oncology

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抄録

<p>日本小児血液・がん学会血小板委員会は,2004年策定の小児特発性血小板減少性紫斑病の診断・治療・管理ガイドラインを現在までのエビデンスに基づきMindsの推奨に準じて改訂した.主な改訂点は,病名を免疫性血小板減少症(ITP)に変更し,血小板減少の定義を10万/μL未満とした.病期を急性,慢性から,国際的な分類である新規診断,持続性,慢性に変更した.出血症状の評価に修正Buchanan出血重症度分類を導入し,血小板数によらず出血の重症度に基づいて治療・無治療の基準を示した.治療を選択する際には,患者の生活様式,生活の質や医療機関への通いやすさを考慮することを提示した.ファーストライン治療薬としては副腎皮質ステロイドと免疫グロブリン静脈注射を同程度に推奨した.トロンボポエチン受容体作動薬とリツキシマブをセカンドライン治療として位置づけた.脾臓摘出は確立された治療法であるができるだけ温存する方針を示した.その他,ワクチン接種後のITP,Helicobacter pylori除菌の評価,脾臓摘出後の感染管理,副腎皮質ステロイドとリツキシマブ投与時のワクチンの適応,ITP合併妊婦から出生した新生児の管理,重症出血時の緊急治療,患者の生活管理についても推奨を示した.詳細は単行本として出版予定である.本ガイドラインにより,小児ITP患者診療の向上を期待する.</p>

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