糖尿病
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委員会報告
緩徐進行1型糖尿病の診断基準(2023)―1型糖尿病における新病態の探索的検討委員会報告―
島田 朗川﨑 英二阿比留 教生粟田 卓也及川 洋一大澤 春彦梶尾 裕小澤 純二高橋 和眞中條 大輔能宗 伸輔福井 智康三浦 順之助安田 和基安田 尚史今川 彰久池上 博司
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2023 年 66 巻 7 号 p. 587-591

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抄録

日本糖尿病学会「1型糖尿病における新病態の探索的検討委員会」において,緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)の診断基準の改訂を行った.必須項目は,1)経過のどこかの時点で膵島関連自己抗体が陽性であること,2)原則として,糖尿病の診断時,ケトーシスもしくはケトアシドーシスはなく,ただちには高血糖是正のためインスリン療法が必要とならないこと,3)経過とともにインスリン分泌能が緩徐に低下し,糖尿病の診断後3ヶ月を過ぎてからインスリン療法が必要になり,最終観察時点で内因性インスリン欠乏状態(空腹時血清Cペプチド<0.6 ng/mL)であること,の3項目で,これら全てを満たす症例を「緩徐進行1型糖尿病(definite)」と診断する.1)および2)のみを満たす場合は,インスリン非依存状態の糖尿病であり,「緩徐進行1型糖尿病(probable)」とした.

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© 2023 一般社団法人 日本糖尿病学会
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