膵炎局所合併症(膵仮性嚢胞,感染性被包化壊死等)に対する診断・治療コンセンサス

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抄録

2009年厚生労働省科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業 難治性膵疾患に関する調査研究班(以下,難治性膵疾患班会議)において「膵仮性嚢胞の内視鏡治療ガイドライン2009」が作成され,その後の治療法の進歩に対応すべく2011~2013年難治性膵疾患班会議で「膵仮性嚢胞の内視鏡治療ガイドライン改訂」(分担研究者:糸井隆夫)が計画された.一方,近年実施頻度が増加している「感染性膵壊死に対する低侵襲治療について指針作成」が,難治性膵疾患班会議において同時に計画された(分担研究者:佐田尚宏).この2研究は当初それぞれワーキンググループを組織して別々に進行していたが,2012年に発表された改訂アトランタ分類で従来頻用されていた「膵仮性嚢胞(pancreatic pseudocyst)」が壊死を含まない限定した定義で使用される用語になったこと,「感染性膵壊死」で表現されていた病態に対する新たな用語として「感染性被包化壊死(infected walled-off necrosis)」が定義されたこと,「膵仮性嚢胞の内視鏡治療ガイドライン2009」が想定していた対象の多くは「膵仮性嚢胞」ではなく「感染性被包化壊死」であることから,両ワーキンググループは合同で「膵仮性嚢胞の内視鏡治療ガイドライン2009」の発展的改訂版として,本コンセンサス「膵炎局所合併症(膵仮性嚢胞,感染性被包化壊死等)に対する診断・治療コンセンサス」を作成した.この研究は,平成25年度において厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業 難治性膵疾患に関する調査研究班 研究代表者:下瀬川徹)を受け,実施した研究の成果である.

収録刊行物

  • 膵臓

    膵臓 29 (5), 775-818, 2014

    一般社団法人 日本膵臓学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (173)*注記

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