大腸ESD/EMRガイドライン

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抄録

大腸領域においてもESDの安全性と有効性が明らかになり,2012年4月にはESDが保険適用となった.大腸腫瘍の内視鏡治療の適応病変として,早期大腸癌のみでなく前癌病変としての腺腫性病変も多く存在し,大腸EMRとESDの棲み分け,そのための術前診断,実際の内視鏡治療の有効性と安全性を第一線の臨床現場で確保するための指針が重要である.そこで,日本消化器内視鏡学会では,大腸癌研究会,日本大腸肛門病学会,日本消化器病学会の協力を得て,新たに科学的な手法で作成した基本的な指針として「大腸ESD/EMRガイドライン」を作成した.本ガイドラインにおける手技の具体的な手順や機器,デバイス,薬剤の種類や使用法など実臨床的な部分については,すでに日本消化器内視鏡学会卒後教育委員会編「消化器内視鏡ハンドブック」が2012年5月に刊行されているので,技術的内容に関しては可能な限り重複を避けた.この分野においてはエビデンスレベルが低いものが多く,専門家のコンセンサスに基づき推奨度を決定しなければならないものが多かったが,適応・術前診断・手技・根治性の評価・偶発症・術後長期予後・病理診断などの広範囲な領域を簡潔にまとめ,現時点での最大公約数的指針を作成した.

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