2023 年 38 巻 2 号 p. 94-100
膵癌診療ガイドラインが3年ぶりとなる2022年7月に改訂・出版された.本ガイドラインの改訂にあたっては,多職種の専門家や患者・市民などの総勢140名体制で議論と修正を重ね,ガイドライン作成の指針となる「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020」に従って作業が行われた.本改訂ガイドラインでは前半部分に総論を設けて十分なコンセンサスが確立していると考えられる内容を紹介し,後半では議論の余地が残る重要臨床事項を厳選し,診断,治療,化学療法,プレシジョンメディスンの各アルゴリズムとともに,73のクリニカルクエスチョン(CQ)と112のステートメントを記載した.患者・市民委員4名と医療者4名からなる患者・市民グループがこれらの作成に多角的に参画した点は本改訂の特記事項の1つと考えられる.