小児耳鼻咽喉科
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小児難治性中耳炎に対する外来静注抗菌薬療法
耳鼻咽喉科医と小児科医の協カ
宇野 芳史
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2007 年 28 巻 1 号 p. 18-23

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抄録

小児難治性反復性中耳炎に対する外来静注抗菌薬療法の有効性について検討の結果,以下の結論を得た.
1.鼓膜換気チューブ留置術と内服抗菌薬治療を組み合わせた治療が無効であった小児難治性反復性中耳炎に対し,3日間連続のceftriaxone(CTRX)60mg/kg/dayの外来点滴静注抗菌薬療法を施行したところ,全例で抗菌薬投与期間である3日以内に耳漏の停止を図ることができた.従って,この外来点滴静注抗菌薬療法は小児難治性反復性中耳炎に対し有効な治療方法であると考えられた.
2.しかし,CTRXの小児に対する1日1回投与という使用方法は適応外であり,今後,有効性の検討を広く行うとともに用法用量の適応拡大が必要である.
3.また,外来での連続した点滴静注抗菌薬療法は,特に難治性反復性の中耳炎を生じる乳幼児では,耳鼻咽喉科医単独では困難であることが多く,小児科医との密接な連携が重要であると考えられた.

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