日本腎臓学会誌
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厚生労働省特定疾患進行性腎障害に関する研究班報告 IgA腎症診療指針
―第2版―
富野 康日己
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2002 年 44 巻 7 号 p. 673-679

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抄録

近年,末期腎不全から透析療法に導入される患者数は増加の一途を辿っているが,その代表的な原因疾患としてIgA腎症があげられる。IgA腎症は,わが国に高率にみられることから本症治療の確立が強く望まれている。1995年,「IgA腎症診療指針」が提唱され,それまで混沌としていた予後判定基準とその基準に従った治療指針が発表された。この診療指針によって,治療の基本的方向性が示されたことは,IgA腎症の治療に大きく貢献してきたものと思われる。 今回,厚生労働省特定疾患進行性腎障害に関する調査研究班IgA腎症分科会が行った全国予後調査や多施設共同研究によって集積されたエビデンスをもとに「IgA腎症診療指針」(第2版)を刊行するに至った。臨床や病理診断の場で活用されることを願うものである。この指針は,現時点での"まとめ"であり,皆様のご意見や新知見に基づいて今後とも改訂されていくものと期待している。そうすることで,末期腎不全への進展を少しでも抑制したいと考えている。

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