静脈学
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ガイドライン
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における静脈血栓塞栓症予防の診療指針2021年4月5日版(Version 2.0)
孟 真山田 典一山下 侑吾小林 隆夫
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 32 巻 1 号 p. 99-103

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抄録

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では,静脈血栓塞栓症(VTE)を主とした血栓症を高頻度に合併する.そこで,日本のアンケート調査を踏まえ,診療手引きや他のガイドラインを参考に,COVID-19でのVTE予防診療指針を改定し,予防法を提案する.「軽症」:基本的に抗凝固療法は不要とし理学療法(離床,下肢運動,弾性ストッキング)を中心とする.理学療法はVTE予防の基本である.「中等症I」(息切れ,肺炎所見):抗凝固療法は不要とし,理学療法(間欠的空気圧迫法も含む)を中心とする.「中等症II」(酸素投与が必要):予防用量である低用量未分画ヘパリンの使用を考慮する.APTT測定による用量調節は必要としない.抗凝固療法中の理学療法併用は必須ではない.「重症」(ICU管理あるいは人工呼吸器):未分画ヘパリンの投与を行う.投与量は出血リスクを勘案し予防用量とする.Dダイマーの継続的なモニタリングを実施する.本指針は今後も改定する予定である.

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