感染症学雑誌
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委員会報告
救急外来部⾨における感染対策チェックリスト
佐々⽊ 淳⼀椎野 泰和加藤 康幸工藤 大介藤田 昌久宮入 烈望月 徹奥田 拓史長門 直鍋谷 佳子高橋 毅救急外来部門における感染対策検討委員会合同ワーキンググループ
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2020 年 94 巻 2 号 p. 135-173

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抄録

 救急外来部⾨では,新興感染症も含め,様々なヒト-ヒト感染症と遭遇する危険性があり,その感染対策は⼗分かつ適切に⾏われるべきである。しかし,救急外来部⾨での感染対策について⼗分なエビデンスに基づいて作成されたガイドラインなどはこれまで世界的にも作成されておらず,各施設で独⾃の対応策を検討・実施している。⽇本救急医学会は「救急外来部⾨における感染対策検討委員会」を設置し,⽇本感染症学会,⽇本環境感染学会,⽇本臨床救急医学会,⽇本臨床微⽣物学会とともに5 学会連携の救急外来部⾨における感染対策について検討する合同ワーキンググループを組織した。この合同ワーキンググループにおいて,救急外来における感染対策およびそれに関連する事項について総合的かつ多⾯的に検討を⾏い,「救急外来部⾨における感染対策チェックリスト」を公開するに⾄った。本チェックリストは,救急専従医が少数あるいは配置されていない⼩規模な救急外来部⾨であっても,このチェックリストに従い準備をすれば⼤きな間違いをせずに感染対策が⾏えることを⽬的に作成された。この中には,感染対策の管理体制,教育・検診・予防接種体制,感染が疑われる患者への対応,ハード⾯の感染リスク管理などが含まれており,さらにチェックすべき時期やその間隔については,それぞれカテゴリーとして明⽰している。本チェックリストが,救急外来部⾨における感染対策の充実に資することを期待したい。

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