2017 年 24 巻 2 号 p. 255-303
近年,集中治療領域での早期リハビリテーションが注目されているが,わが国の集中治療領域で行われている早期リハビリテーションは経験的に行われていることが多く,その内容や体制は施設により大きな違いがある。早期リハビリテーションへの期待が高まり,今後より高度急性期の病床機能の明確化が進む中で,集中治療領域での早期リハビリテーションの確立や標準化は喫緊の課題である。この度,日本集中治療医学会の早期リハビリテーション検討委員会では,「集中治療における早期リハビリテーション ~根拠に基づくエキスパートコンセンサス~」を作成した。このエキスパートコンセンサスでは,早期リハビリテーションの定義や早期リハビリテーションの効果,さらには早期リハビリテーションの禁忌や開始基準・中止基準,早期リハビリテーションの体制について解説する。