糖尿病患者の栄養食事指導―エネルギー・炭水化物・タンパク質摂取量と栄養食事指導―

DOI
  • 山内 敏正
    東京大学大学院医学系研究科内科学専攻生体防御腫瘍学講座代謝・栄養病態学分野 日本糖尿病学会コンセンサスステートメント策定に関する委員会 委員長
  • 神谷 英紀
    愛知医科大学医学部内科学講座糖尿病内科 日本糖尿病学会コンセンサスステートメント策定に関する委員会 委員
  • 宇都宮 一典
    東京慈恵会医科大学総合健診・予防医学センター
  • 綿田 裕孝
    順天堂大学大学院医学系研究科代謝内分泌内科学講座
  • 川浪 大治
    福岡大学医学部内分泌・糖尿病内科学講座
  • 佐藤 淳子
    順天堂大学大学院医学系研究科代謝内分泌内科学講座
  • 北田 宗弘
    金沢医科大学糖尿病・内分泌内科学
  • 古家 大祐
    金沢医科大学糖尿病・内分泌内科学
  • 原田 範雄
    京都大学大学院医学系研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学/京都大学医学部附属病院疾患栄養治療部 日本糖尿病学会コンセンサスステートメント策定に関する委員会 委員
  • 幣 憲一郎
    京都大学医学部附属病院疾患栄養治療部
  • 城尾 恵里奈
    京都大学医学部附属病院疾患栄養治療部
  • 鈴木 亮
    東京医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科 日本糖尿病学会コンセンサスステートメント策定に関する委員会 委員
  • 坊内 良太郎
    国立国際医療研究センター病院糖尿病内分泌代謝科 日本糖尿病学会コンセンサスステートメント策定に関する委員会 委員
  • 太田 康晴
    山口大学大学院医学系研究科病態制御内科学講座 日本糖尿病学会コンセンサスステートメント策定に関する委員会 委員
  • 近藤 龍也
    熊本大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科 日本糖尿病学会コンセンサスステートメント策定に関する委員会 委員

書誌事項

タイトル別名
  • Medical Nutrition Therapy and Dietary Counseling for Patients with Diabetes -Energy, Carbohydrates, Protein Intake and Dietary Counseling-

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抄録

<p>「糖尿病診療ガイドライン」は,エビデンスに基づく糖尿病診療の推進と糖尿病診療の均てん化を目的とし,3年ごとに改訂され刊行されている.「糖尿病診療ガイドライン」の策定は然るべきプロセスを踏まえる必要があり,糖尿病診療に必要なアップデート事項を毎年ガイドラインとして刊行することは困難である.そこで,日本糖尿病学会として,今後はアップデート事項を適宜コンセンサスステートメントとして刊行していくことを決定した.そのため,日本糖尿病学会理事会の下に,事務局長,事務局長代行並びに幹事からなる「コンセンサスステートメント策定に関する委員会」を設置し,本委員会が中心となって,アップデートの必要なテーマの選択とその執筆者を選び,理事会の承認を得た後に執筆を行った.本コンセンサスステートメントについては,全理事が査読者を務めた.また,他学会ガイドラインとの整合性の観点から,関連学会に外部評価もお願いした.本コンセンサスステートメントは,我が国における糖尿病診療に関する考え方について,テーマごとにできうる限り新しいエビデンスを含め,我が国の専門家間でのコンセンサスが得られた見解を取り纏めたものとご理解いただき,最善の糖尿病診療を行う上で活用していただきたい.糖尿病患者数は世界のどこよりも急速にアジア地域で増加しており,世界の糖尿病人口の3分の1はこの地域に集中していることから,我が国からコンセンサスステートメントをタイムリーに示していくことは,極めて重要な意義を有することと考えられる.今後,英語版の刊行も予定している.</p><p>今回は,その第1報として,「糖尿病患者の栄養食事指導」をテーマにコンセンサスステートメントを作成した.我が国における糖尿病患者に対する栄養食事指導の考え方やその指導について,アップデートが必要なフォーカスすべき4つの内容(目標体重および総エネルギー摂取量の設定,炭水化物の摂取量,タンパク質の摂取量,管理栄養士による栄養食事指導)で構成している.主に糖尿病の管理を目的としたものであるが,タンパク質の摂取量においては,糖尿病性腎症やサルコペニア,高齢者の場合に関しても言及している.</p><p>コンセンサスステートメントは,今後も糖尿病診療について適宜アップデートが必要なテーマを選び,できうる限り最新のエビデンスを盛り込みながら定期的に刊行していく.コンセンサスステートメントが,我が国での糖尿病診療の向上に貢献することを期待するとともに,新しいエビデンスを加えながら,より良いものに進化し続けていくことを願っている.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 63 (3), 91-109, 2020-03-30

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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